2020.8.21
希少な場面を疑似体験することで現場対応の不安解消へ【社会福祉法人 上越あたご福祉会様】

VR研修
新潟県上越市、妙高市で高齢福祉施設等を運営する上越あたご福祉会様での活用をご紹介します。今回はリスクマネージメント研修の中で「ケアブル」をどのように活用いただいているのかを、当日は講師を務め、本施設で相談員としても勤務されている岩島さん(本文中敬称略)へお話を伺いました。

『ぜひ、やろう!』から始まったVR研修

岩島さん

社会福祉法人 上越あたご福祉会 三和愛宕の園:岩島さん

――これまではどのような方法で研修を行なっていたのでしょうか?

岩島:基本はパワーポイントを使って資料を作成したものを配布し講義形式で行なっていました。
資料に関しては、最新事例をインターネットや本などを参考にしたり、いま施設で起こっていることや今後取り組むべきことなどを盛り込ませたりしながら、テーマ決めから行っています。
ただ、その資料づくりが毎回大変で…。

――今回はケアブルの「心肺蘇生」コンテンツを利用した研修と伺いました。

岩島:はい。今回はリスクマネージメントで緊急時対応をテーマにした研修を行いたいと考えていました。
実は少し前に、心肺停止の方が居た時にスムーズな対応ができなかったということがあったのです。
そんななか研修内容を考えていたところ、「ケアブル」のVRコンテンツに「心肺蘇生」があったので、『ぜひ、やろう!』と。今回初めてVRを使った研修を実施することにしました。

――VR研修をどのように組み立て、また利用しましたか。

岩島:研修内容を考える際にシングルモード(VRゴーグル単体で視聴できるモード)で一通りコンテンツをチェックしてから、「心肺蘇生」の場面においてポイントとなる箇所をポワーポイントで補足する、という方法で研修を組み立てました。
実際の研修では、最初に受講者へ研修の目的をしっかりと伝え、学んで欲しいポイントなどを資料で説明した後に、本編となるVRを2回体験いただきました。VR体験後は、隣の人とペアになって5分程度、気づいた点などを話し合いながら自分で考える時間を設け、最後に解説編を見ることで、疑問に思ったこと、気づいたことなどについて確認するという流れにしました。

VRは多くの気づき・疑問を与え、不安を解消させる

研修風景

――VRでの研修を受講されて率直にいかがでしたか?

介護福祉士 小林さん
「自分の頭の中に(心肺蘇生の)対応手順は入っているつもりだが、実際にその場面に遭遇し対応することとなったらできるのか…という不安がありました。VRで擬似体験できたことで、不安は少し解消されました。
従来のテキストや絵などを利用した学習・研修でも手順などは頭には入るのですが、そこで学んだことが実践の場ですぐに活かせるか?と言えばすぐには活かせないと思います。
VRなら実際の場面を擬似体験できるので、自分がそこにいるかのような感覚で心肺停止の場面を体験できたことが不安の解消につながったと思います。」(介護福祉士 小林さん)

介護福祉士 松井さん
「VRで擬似体験したことによって、話だけでは疑問に思わなかったことも『あれ?』と疑問に思うことが何度かありました。講師から聞く話の中で場面を想像するよりも、VRなら実際に目の前で起こっているかのように思えるので、『じゃ、その時どうした方が良いのか?』などの気づきが多くありました。また、実際に研修中に質問することができたことで疑問が解消できました。」(介護福祉士 松井さん)

介護福祉士 青山さん
「私自身15年介護職をしています。日中の食事中に利用者さんが食べ物を詰まらせてしまった時の対応はありますが、夜勤中に心肺停止の利用者さんを発見するといった場面に出会った経験がありません。もし本当にそのような場面に遭遇したら慌ててしまうと思いますが、文章で見たり説明を受けたりするよりも、VR体験できたことで心構えができたと思います。」(介護福祉士 青山さん)

事故を事前に疑似体験することでイメージトレーニング

心配蘇生

――VRを利用した研修は講師の目から見ても何か感じましたか?

岩島:過去の研修と比べて、ペアでのディスカション時に、いつもより会話がスムーズだったと感じました。
これまでのパワーポイントを使いながら私の解説をただ聞くだけというのとは異なり、VRで同じ場面を本人視点で見ているので、理解できたこと、気づいたことが多かったのでしょう。疑問点などもディスカッションの中で多くあがりました。
例えば、VRの映像内で脈を確認するシーンを見た介護士からは、「どこを触ればきちんと脈を確認できるのか?」などの質問が出ました。研修には現職の看護師もいましたので、受講者からの質問を看護師から回答してもらうなど、知識の共有をメンバー全員で行うことができました。

――他にも利用してみたいVRコンテンツはありますか?

岩島:私が担当している分野はリスクマネージメントなので、食事やおやつ中の「危険予知」コンテンツを利用したいと思いました。
窒息の事故は急に発生します。万が一、発生してしまった場合は、何か起きていて、どのように動くべきか、そして慌てない。これらのイメージトレーニングをすることが非常に重要だと考えています。

VRは研修準備の負担軽減にもつながる

受講生

――今後もVRを研修で利用しみたいと思いますか?

岩島:今後もVRは使ってみたいですね。
研修1時間を受け持つと資料づくりが大変で…。しかしながら、今回の研修は準備がすごく楽でした。
VRコンテンツを中心とした研修を組み立てることで、研修の準備の負担もすごく軽くなると思います。
また、研修後の受講者へのアンケートでも、VRを使った研修は「分かりやすかった」と全員が回答していました。受講者にとっても満足度の高い研修となったと思います。

 

社会福祉法人 上越あたご福祉会
新潟県上越市、妙高市で高齢福祉施設や障がい福祉施設を運営。 ご利用者、スタッフが『ここに来てよかった』と思える施設を目指しています。
http://www.joetsu-atago.or.jp